エビループ学 応用
パワプロアプリ内で、闇野栄剛はエビルキャップ(以下:エビキャ)の力でタイムリープのような行為(以下:エビループ)を行っています。
そのエビループについて公式内でちょこちょこ触れられてはいるものの、詳細な説明はなされていない印象がありました。
それについて民草ながらいろいろ考えていたことを、せっかくなので書き記しておきます。
(2022年夏くらいまでの情報量です)
この記事では前回の基礎編を元に、更に細かい事項として「ループ後の変化の有無」について下記内容を個人的な解釈からお話していきます。
◆この記事の目次
エビループは同一世界線または平行世界線上の過去(1年4月)に移動することができますが、その際にループ前からループ後への多少の変化をもたらします。
何が変化し、何が変化しないかをまとめていきます。
ループ時一定範囲が巻き込まれる
エビループ発生時、ループ使用者だけではなくその周囲も影響を受けます。ループ発生時に近くにいたレイリーさんもエビループに巻き込まれているのです。
それにより、彼女は後述する「精神状態の変化」が起こってしまったと言えます。
エビキャの力は使用者周囲にまで及ぶ事例として見ることができます。
上のように矢部君は前の世界線の情報を知らず、その世界線その時間にいたままの状態になっています。
つまり、エビループ発生時に使用者の一定範囲内にいると、移動先で「変化」の影響を受けてしまうのです。
ループ先の精神情報は変化する
エビループにより起こる「変化」は精神情報の変化、すなわち「前ループでの記憶を引き継ぐ」ことになります。往田君はエピローグでレイリーさんをかばった結果、ソウルジェイルされてしまいます。その魂の情報がループ先にも引き継がれているため、レイリーさんの呼びかけに答えられない状態になっているのです。
※正確には強化天空は通常恵比留の前後どちらにも入らない世界線ですし、闇野が通常恵比留でエビキャを渡さなかったルートで強化恵比留の前のどこかで発生する特殊な世界線になりますが、エビループの世界線順序についてはそのうちまとめます
強化天空でも往田君(ミスターファウル)の魂がソウルジェイルされた状態になっており、通常恵比留と同じように前ループでソウルジェイルされてしまった場合の精神情報が、強化天空の世界線へ上書きされたものだと考えられます。
(強化天空 1月1週)
強化天空は他の高校話とソウルジェイル関係で描写が合わない箇所が多いので、
ループ先の位置情報は無変化
エビループにより同一世界線の4月1週に戻った場合、物品の位置情報は4月1週時点のものから変化しません。これは4月1週時点での彼らの位置情報が変化しないためです。
まとめ
以上を踏まえて、私は以下のように定義できるのではないかと考えています。◆エビループは「精神」の情報を引き継ぐことができる
◆エビループは「物体」の情報を引き継ぐことができない
上記のように、書いてきましたが「物体」の情報を引き継げないことについては、ソウルジェイル情報の持ち込みの可不可の面からもっと掘り下げる必要があるかと思われます。
その部分は後の課題としておきます。
プロフィール用
概要
成人済の腐女子です。NLもBLも好きです。
自衛のために壁打ちフォロー0ですが、反応・感想は大変ありがたいです。モチベーションになっています。
腐向け下ネタが飛び交い、目の付け所が狂った発想をし、癖のあるキャラ付けをします。
ネタや考察を転載するときは一声かけて貰えるとありがたいです。
女体化が苦手ですが、ミュートで避けています。
嗜好
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パワプロ10の鷹野有紀さんが大好きですが、愛が歪んで各種ハラスメントの見本市になっています。大体いつも頭のおかしいパワプロ君に何かしらの害を及ぼされています。顔面偏差値は真ん中より下という一点は譲れませんが、それ以外はとくに地雷は無いです。
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パワプロアプリの闇野栄剛くんおよびエビルキャップたん(エビキャ)も好きです。好きですが、心が折れてアプリをやらなくなってしまったので2023年2月くらいの情報で時が止まっています。それなのに謎の考察をするのでこのブログが稼働しています。自己解釈ガチガチです。
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◆やみくり
クソカス面倒ザコメンタルのこじらせ男である闇野が御厨ちゃんにループの数だけ矢印を向けているのが好きです。心が弱いのでフラれるのが嫌で告白しないくせに、勝手に御厨ちゃんに独占欲向けて感情をこじらせているのを隠して、世話好きな好青年のふりをしている闇野について考えています。自分のものにならないのはいいけど誰のものにもなるな理論でソウルジェイルとかしてんのかなコイツって思ったらテンション上がってきますね。
個人的に強化恵比留でルミナちゃんに折り合いをつけて貰った「いなくならないで欲しい」「自分を肯定してほしい」心を、無自覚ながらソウルジェイルした御厨ちゃんに満たして貰おうと求めていたのでは説が熱いです。めんどくせー男だな。
なお御厨ちゃんが好きなのはパワプロ君です。パワ真歩は闇野の地雷です。
◆黒土
ノムちゃんへの恋心を自覚できない黒衛が好きです。ノムちゃんの笑顔を美しい扱いするわ無言で30分眺め続けるわ(公式が病気では?)で、「土村さんは美しい」と感じている黒衛が「なぜ彼女を美しいと思うのか」に考えが至らず、失恋にすら至らない様を見ていたいです。自覚してしまって、美しさを第一に生きる彼が葛藤に苦しむ様子も見たいですね。心が2つある。
なおノムちゃんが好きなのはパワプロ君ですが、黒衛はパワプロ君を好きなノムちゃんの美しさも認められるので、ノムちゃんの自由恋愛の権利が保障されています。
BL
◆鷹館/館鷹
しち面倒な性格をした鷹野さんと人間が出来過ぎている館西君です。分かりやすく言うと館西君はオタクに優しいギャルです。幸せになってくれるなら、ぶっちゃけどっちが攻めでもいいです。正直鷹野さんは愛するより愛される方がマシな残念性格なので、そのあたり館西君が斟酌してあげる感じで……館西君側のメリット1ミリも無いな?
2人とも頭がいい(鷹野さんはアホですが)ので生活の端々で難しい議論を交わして脳みそが満たされてる様が見たいです。
◆阿闇(阿エビ)
365日毎日が命日になりかけている滅カプです。ギャグで考えると隙あらば闇野の命を狙ってくる阿麻のせいで生活がめちゃくちゃな闇野です。
シリアスで考えると、阿麻は使命を果たすために育てられているので、それを実現するための「魔の者」である闇野に執着している形にもなるんですが、そういう作品は描ける気がしませんね。
エビループ学 基礎
パワプロアプリ内で、闇野栄剛はエビルキャップ(以下:エビキャ)の力でタイムリープのような行為(以下:エビループ)を行っています。
そのエビループについて公式内でちょこちょこ触れられてはいるものの、詳細な説明はなされていません。
この記事では「エビループって何?」という方のために基本的なこと、つまり下記内容を個人的な解釈からお話していきます。
ただし、以下は非公式のまとめとなりますので、私の個人的見解であることをご了承ください。
●エビループとは何か?
●公式で不足している説明の補足
●エビループの条件とは?
「公式で不足している説明の補足」とありますが、エビループは大まかに
◆1 同一世界線時間移動
◆2 平行世界線時間移動
に分けられると私は考えています。
公式内では1の要素についてしか説明されていませんが、2の要素も無くては描写に不自然な箇所が発生してしまうと思われるためです。
それでは、以下目次の順序で解説してまいります。
◆この記事の目次
エビループとは何か
エビループとはおおまかに何のことを言うのか話していきます。
公式内での説明
パワプロアプリ内でエビループについてハッキリ解説されているのは、強化円卓での緑文字解説です。「時間をさかのぼって」と説明されています。
また、エビループをしている当事者の闇野自身がこのような発言をしています。
闇野には、自分が時間を遡りタイムリープと呼ばれる現象を起こしている自覚があるのです。
更に、通常恵比留でパワプロ君がエビキャを受け取って移動した後に「タイムリープ成功か」と言葉にしています。
これらの描写から、エビループとは「現在の記憶を保持した状態で過去にタイムリープすること」であると考えられます。
しかし、ただ過去に戻るだけと定義しては説明がつかない描写も存在します。
ただの過去移動ではない
詳しくは後で述べるのですが、エビループの帰着点は1年時4月に固定されています。
エビループで過去に戻ったタイミングでは既に各自の高校入学が終わっている、言い換えるなら「各キャラクターの所属高校が決まっている」のです。
エビループがただのタイムリープである場合、闇野が過去に戻った時の状況はいつも同じになっているはずです。
各キャラクターは星井君みたいにシナリオ中で転校したり、討総学園のようにギミック上での移動が発生でもしない限り、基本的に決まってしまっている所属高校から移動しません。
しかし、上記発言から分かるように、恵比留高校のチームメイトに岸田や岸田がいるいないという変化が発生しています。
単純に同じ世界線で「時間を戻している」というだけであるならば、起こらない現象なのです。
ラピュタの、パズーが空から降ってきたシータを受け止めるシーンをもう1回見たくて映像を巻き戻したら、シータじゃなくてムスカが降ってきたようなものです。このことから、エビループは単純に同一世界線の過去に戻っているのみならず、別の世界線にも移動しているのだと考えられるのです。
ちなみに闇野が他校に移動する場合は、星井君が覇堂から転校するように、一度恵比留所属になってから転校しています。
そもそも、エビループ後はエビキャがソウルセメタリー内に再配置されるため、一度恵比留に来る必要があります。(エビループによる物体再配置現象については別の機会に色々考えをまとめて書きたいとは思っています)
もちろん、阿麻や岸田も星井君のように自主的に恵比留高校へ転校してきている可能性もあります。
しかし、闇野の発言から分かるように、阿麻や岸田が味方になるほうが闇野の目的達成のための障害が減ります。
もしエビループ後に阿麻や岸田が味方になってくれる変化が発生すると仮定すれば、闇野が本当に目的を達成したい場合、条件を解明して毎回その変化を起こすべきなのです。
▲マネーはパワー! 「危なっかしいな」
ゆかり様とのコンボでも闇野は情報を集めて予測を立てることを旨としています。
スクショが無くて申し訳無いのですが、激突!恵比留高校イベントの際にも闇野自身が以下の発言をしています。
(激突恵比留高校 対戦前)
キミも、これからは情報の価値をちゃんと理解して、対戦する相手の分析をきちんとすることだね。
まあ、相手がオレたちなら結果は同じだったろうけど。
(激突恵比留高校 敗北時)
もし闇野が阿麻や岸田の転校条件を解明しようとせずに、「阿麻が味方になってくれればラッキー」などというエサが流れてくるのを待っている濾過摂食生物のようなフジツボ以下の受動姿勢でエビループを起こしているのであれば、それは言行不一致だと思われるのです。
2種類のエビループ
闇野が同一世界線のみならず別の世界線にも移動しているとした場合、エビループは下記の2種類に分けて考えられます。
①は作中で解説される通り、同じ世界線の中で時間軸のみを移動するループのことです。
②は、私が状況説明のために構築したもので、世界線と時間軸をどちらも移動するループとなります。
闇野が意図的に①と②を区別して実行できているかは不明です。
ですが、強化円卓で闇野がパワプロ君に対して「時間を巻き戻す」ではなく「元の世界に返す」と言って行動ことを考えると、エビキャに世界線を移動できる力があることを認識していてもおかしくはないでしょう。というか認識していなかったら「思いついたからやってみるわ、出来るかは知らんけど」の発想すぎて逆に怖いわ。
タイムパラドクスについて
エビループでは、闇野がループをした場合「闇野がその世界からいなくなる」処理が為されます。
原則として闇野だけが存在ごと過去もしくは別の世界戦へ移動し、他のキャラクターたちはその世界でそのまま未来へ進んでいきます。
またもスクショが無くて申し訳無いのですが、天空中央高校の強化イベントの際にミスレイリーが以下の発言をしています。
意味はわからないだろうがお前たちに、これだけは伝えておく。
この世界から闇野の脅威は去った。
(強化天空 甲子園決勝後)
つまり、闇野がエビループして過ごす時間軸はそれぞれパラレルワールドとして処理されることで、パラドクスを回避しているのです。
個人的に「一方通行で特定のタイミングにしか戻れない」「場合により世界線を移動する」エビループの設定は、上手くタイムパラドクスを回避できていると思っています。
メタ的に言うと
2種類のエビループに関して、「エビループ時点でキャラクターの所属高校が決まっている」という情報を元にメタ的にとらえると
と置き換えて考えることもできます。
あくまで「置き換えたら」の話であり、パワプロ2013のラグナロク分校のようにシナリオとシステムが関係している訳でもないので、エビループでメタ要素をネタにされているかは定かではありません。
メタ的にエビループの違いを説明するときは、デッキシステムに例えると分かりやすいと言う程度の内容で考えていただければと思います。
エビループの条件
実際にエビループを起こす際の発動条件などについて説明していきます。
発動は任意のタイミングで可能
エビループを起こすタイミング(過去に戻ろうとするタイミング)は闇野の任意で決めることができます。
通常恵比留ではエピローグ後の3月に発動していますが、強化恵比留では6月にエビループをしようか考えています。
実際に強化天空では6月に闇野が「行方不明になった」と説明されており、エビループをして世界から移動していることが推察できます。
エビルキャップに蓄えたエネルギーで発動可
強化恵比留で語られたように、エビループを起こすにはいくらかのエネルギーが必要です。先の項目と合わせて言えば、エネルギーが溜まっていればいつでも発動できます。
帰着は特定のタイミングと場所
エビループの帰着点は「1年時4月に固定」されていると思われます。
最低でも、闇野が自分で帰着点を決めることは出来ないでしょう。
円卓高校で闇野は6月4週に聖杯を壊され、1年かけた計画が水の泡になっています。
もしエビループで意図的な時間に戻れるのであれば、闇野は6月4週に戻って聖杯破壊を防げば良いのです。
それを行わないのは闇野がそれを思いつかないヤベーレベルのアホの場合を除き、そもそも機能としてそれが出来ないからだと考えるのが妥当でしょう。
実際に、パワプロ君がエビループした場合には、1年4月に戻っています。
また、円卓高校や強化円卓では闇野は1年時から活動をしていることからも、エビループの帰着点は「1年時4月に固定」、最低でも「意図的な時点に戻ることは出来ない」と考えられるのではないでしょうか。
失敗時のリスク
闇野がエビループに失敗したと明確に指摘される描写はありませんが、強化円卓でエビキャのエネルギーが暴発すると時空の狭間に飛ばされます。
このあたりはラグナロク分校のバッドエンドと似た何かがあると思われるのですが、私がラグナロクに詳しくないため後々の課題とします。
まとめ
これまでの内容をまとめると、エビループは
今回の基礎編考察は以上となります。
強化恵比留シナリオ考察+α
※2022年3月8日にTwitterで公開した内容の再録です。当時の情報で作成されております
上記考察記事の内容を踏まえて強化恵比留のメインシナリオを順になぞり、作中の各描写に私の個人的な解釈や感想を付与していきます。
強化恵比留は6月4週の選択肢によって以降のルートが大きく変わるので、
「心に正直になれ」を選んだ場合をトゥルールート、
「弱い心と決別しろ!」を選んだ場合をバッドルートとします。
トゥルールートはデッキにルミナちゃんが入っているかで展開が変わるため更に2つに分け、下記の順序で解説していきます。
●OPから6月4週まで
●ランダムイベント
●トゥルールート(ルミナちゃんデッキ入り)
●トゥルールート(ルミナちゃん無し)
●バッドルート
OPから6月4週まで
OP
OPで小さくなった闇野のシルエットが映り、不穏な雰囲気を演出します。
側頭部や前髪にあるハネが見えずエビキャ特有の凹凸が確認できるため、大きいシルエットはエビキャをかぶった闇野です。
今回の闇野は通常恵比留とは異なり1年時から活動しているため、目的達成のためのエネルギーがある程度集まっています。
似たような状態で2年8月に入るシナリオとして強化円卓があるので、強化恵比留は強化円卓のIFルートか前日譚に近いのではないかと個人的に考えています。
闇野が魂を集めることには何かの「目的」があるのですが、それが何なのかは未だに謎です。
(強化円卓・無限地下牢と絡めて推測は出来るのですが明言するには至りません)
8月1週~
エビルキャップに保管されていたエネルギーを元に、ルミナちゃんが発生します。
それと同時に闇野の魂がルミナちゃんに奪われるため、身体が少年の姿になってしまいます。
闇野はルミナちゃんの影響を受けてしまう状態になり、言われるがままに彼女を従妹だと思い込んでしまいます。
以後、この特殊な条件下でシナリオが進んでいきます。
9月2週~
チームの結束を強めるためにカラオケに行きます。
後の5月2週でルミナちゃんに御厨ちゃんの魂のエネルギーが入っていると分かるのですが、この時点で御厨ちゃんがルミナちゃんに懐いている(近くにいようとする)描写があります。
通常恵比留9月4週でもチームメイトの仲を深めるイベントがありますが、秋祭りに行く通常恵比留に対し、強化恵比留ではルミナちゃんの提案でカラオケに行きます。
パワプロ界には「歌うことで魂が浄化される」という設定があり、御厨ちゃんとのデートでその情報を得ることが出来ます。
ルミナちゃんが通常の人間ではなく魂のエネルギーで出来た存在であることや、彼女の所有する魂の中に御厨ちゃんのもの(つまりは御厨ちゃんの記憶情報)が含まれることがカラオケを選んだことに関係していると深読みすることもできます。
10月2週~
秋季大会で敗北します。
闇野は計画が上手くいくかを心配しています。
また、この時点でもエビキャのエネルギーが足りていませんが、その原因については後に6月4週のところで解説します。
闇野がルミナちゃんに子ども扱いされて怒っていますが、コンボイベントでも見られる通り、闇野本人の感情が高まった場合にはちゃんと反発します。
円卓の望戸君も阿麻への感情から闇野に抗うことができますし、魂の支配による影響も本人の感情次第で揺らぐようです。
10月3週~
偵察範囲が拡大されます。通常とさほど変わりはありません。
12月2週~
アンドロメダと試合試合をし、ルミナちゃんに声をかけて来た相手に闇野が苛立ちを示します。闇野が打算も演技もなく他者を仲間としてかばう貴重なシーンです。
ショートカットの文章では、闇野の態度は「怒り」で表現されます。
ルミナちゃんを特別視しつつある好意や、それにちょっかいとかけられた苛立ち等、
素直じゃないとはいえ闇野が思ったままの感情を少し出せるようになっています。
1月3週~
偵察先の高校が不調になることにパワプロ君が違和感を抱き始めます。
御厨ちゃんはルミナちゃんの意見に賛同しますが、彼女が通常恵比留では闇野の意見に従いがちなことを踏まえると、ルミナちゃんに魂を所有されていることが影響しているのかもしれません。
4月1週~
新入部員が入ってきて、闇野が女子部員にイチャつかれます。
本気を出したらバットをへし折る筋力の女性に抱き着かれるという危機的状況です。
この一連の流れは、小さく弱い(と闇野が思っている)状態でも「闇野は愛されている」という情報を周囲の人間から闇野へ与えるために必要です。
他人の影響を受けうる状態の闇野だからこそ、その情報を素直に認識することができます。
4月4週~
マントルと練習試合をします。
基本的な流れは変わりませんが、特定条件下のセリフが強化恵比留(左)と通常恵比留(右)で異なっています。
強化恵比留での闇野は「怖いくらい」と自身の感情を口にしています。
6月4週でトゥルールートを選んだ際の展開を踏まえると、この時点でエビキャのエネルギーは不足しています。
そのうえ自分は元に戻る手段が分からないという何一つ「順調」ではない状況なのですが、通常恵比留のセリフを使いまわすと違和感があるため、差し替える必要があったのでしょう。
わざわざ追加したセリフで「怖いくらい」という通常時の闇野なら言わないだろう言葉が選ばれていることは、ストーリーを通じて闇野が自身の感情に対し素直になれていることの表れだと考えられます。
5月2週~
ルミナちゃんと御厨ちゃんの間にトラブルが発生し、闇野がルミナちゃんの影響を受けていたことに気づきます。
ルミナちゃんが魂のエネルギーから作られている幻であること、その魂の中には御厨ちゃんのものが入っていることが分かります。
御厨ちゃんの行動の理由については、おおよそ闇野の推測通りでしょう。
ルミナちゃんがダメージを受けて闇野に対する支配力が弱まったため、闇野が彼女の影響下から抜け出し、自分が見ていた幻の情報に気づきます。
しかし、ルミナちゃんが回復すると再び彼女の影響を受けるようになります。
魂の支配による作用だけではなく、彼女が闇野自身すらちゃんと認識できていない本当に求めている願いを叶えてくれる存在だからこそ抗うことができないのです。
5月3週~
偵察先の不調化に対してパワプロ君が抱いていた不信感が決定的なものになります。
闇野に疑問をぶつけますが結局答えはもらえません。
今回の闇野は1年時から自分の目的のために他者の魂を奪っており、闇野の想いから生まれたルミナちゃんはその情報を知っているはずですが、展開上の都合か知らないようです。
ルミナちゃんの所持する情報の範囲はイベントごとに微妙に異なるので、この場面も「闇野をかばってくれる」描写をいれるための設定ずれである可能性もあります。
6月4週~
地方大会を目前にして、みんなの様子がおかしいことにパワプロ君が気づきます。
ルミナちゃんもぼんやりしていますが、既にエネルギーの消耗による身体への影響が始まっていることを示しているのかもしれません。
闇野も、自身のメンタルの問題をついに自覚し悩んでいます。
ここで問題を放棄しようとせず、ちゃんと自分の気持ちを認識しようとしているあたり、この1年でずいぶん素直になったと思われます。
ランダムイベント
強化恵比留で発生するランダムイベントにもいくつか触れておきます。
集合写真を撮るイベント。
「従兄妹なのに写真が初めて」という点に矢部君が触れることで、本当の従兄妹でない二人の奇妙な関係を表しています。
トゥルールートへ進んだ場合は、両親に撮ってもらった写真同様に、この集合写真が闇野の大切な思い出の品になるのかもしれません。
闇鍋イベント。
ルミナちゃんは基本的に闇野の成すことに対して好意的な反応を示し、肯定してくれます。
ただし全面的な肯定ではなく、闇野の行動に問題がある場合はコンボイベント(右)のようにちゃんと叱ることもあります。
スマホの持ち主を探すイベント。
闇野がルミナちゃんに押し切られるシーンをパワプロ君が「親子」と表します。
ルミナちゃんは闇野の希望を全て肯定する訳では無いと分かります。
闇野が部員との関係に悩むイベント。
パワプロ君にちゃんと悩みを話しているあたり、闇野の精神的成長が垣間見えます。
先のスマホイベント同様闇野がルミナちゃんに押し切られるシーンが描かれており、私としては、二人の関係性には親子に近い描写が表現されていると思います。
闇野の精神的問題が両親の喪失に起源しているのであれば、「両親と一緒にいたかった」という親の存在を求める感情が闇野の中にあるはずです。
その欲求が闇野の想いから作られたルミナちゃんの行動に影響し、彼女と闇野とのやりとりが親子のような関係に見えるのかもしれません。
野球部の評判をアップしようとするイベント。
このイベントのルミナちゃんの言動は選択肢次第で相反しますが、左は握手会を実行するかについて闇野の気持ちが優先される状況であり、右は周りに協力して欲しいと頼まれたことを闇野が断るという違いがあります。
彼女には闇野の感情を優先し思いやる気持ちだけではなく、闇野に社会性を求める気持ちもあると考えられます。
つまるところ、ルミナちゃんは闇野の感情を尊重しながらも、自身の感情と周囲との折り合いをつける方法に闇野を導いています。
彼女は闇野を甘えさせてくれるが甘やかしはしない存在であり、そこから子供を育てる「親」の要素が感じられると言えるのではないでしょうか。
他校偵察に行くイベント。
これは闇野との関係よりも、ルミナちゃん個人の考え方を掘り下げているイベントです。
メンタルを鍛えるイベント。
ルミナちゃんは基本的に相手を「すごい」と認識しています。
(彼女自身のSRイベントで言う「リスペクト」にあたると思われます)
相手の現時点での強さを評価したうえで、上昇志向に好意的です。
【強さへの意志】を持つ闇野が現時点での強さに目を向けず進み続けようとする点を考えると、ルミナちゃんの考え方こそが、闇野が本来持つべき健全な努力姿勢だと言うこともできます。
トゥルールート(ルミナちゃんデッキ入り)
パワプロ君に、弱い心に向き合うよう背中を押して貰います。
これまでの闇野が、強い自分であるために弱い自分を拒絶していたことが「このオレに」という言い方からにじみ出ていると感じられます。
自分を強いと思うことで安心しようとしてきた闇野にとって、この強い自分が弱い自分を認めるというのは、安心を失い不安を生む行為です。
弱さを受け入れた方が良いのだろうと薄々分かっていても、すぐには受け入れられずに少し反発してしまったのだと思われます。
しかし、パワプロ君は「弱くても大丈夫」だと言ってくれます。
弱い自分が存在しても良いのか、強い自分じゃなくても許されるのかという不安が解消され、ちゃんと弱い心に向き合うことを決めます。
自分の弱い部分が存在しても大丈夫なのではないかという気持ちは、
ルミナちゃんをはじめとした他者の影響を受けやすい状況にある強化恵比留中の闇野であれば、これまでの1年で薄々感じ取っていたことだと思われます。
それでも不安をぬぐい切れず迷っていたところで、欲していた「自分は弱くても大丈夫」という実感をハッキリ言葉にして貰えたため、その価値観を安心して自分のものに出来たという印象です。
闇野は残ったエネルギーを自分のタイムリープではなく、ルミナちゃんの存在を維持するために使うことを決意します。
闇野が他人を思いやれるようになった点は成長の証ですが、この行動は100%ルミナちゃんを想ってのものではなく、自分のために動いている面もあります。
「ルミナちゃんと一緒にいたい」という自分の望みを叶えるための行動でもあるのです。
本当にルミナちゃんのことを想うのであれば、最初に彼女と話し合って解決策を探すべきです。
また、ここでエビキャのエネルギーが足りていませんが、強化恵比留期間中はエネルギーが不足する描写が8月や10月にも現れます。
1年間偵察をしてきてエビループするエネルギーすら手に入れて無いというのは考え難いです。
5月2週にルミナちゃんが勝手にソウルジェイルのエネルギーを吸収したように、偵察で手に入れたエネルギーをルミナちゃんが勝手に吸収しているから、強化恵比留中はエネルギーを貯めることが出来なかったと考えるのが妥当ではないでしょうか。
7月1週・地方大会~
以降の闇野は、彼女が存在し続けられるように魂のエネルギーを集めようとします。
強化恵比留 トゥルールート 地方大会決勝後◀ ▶左に同じ
精神二分の問題が解決していくことで、次第にその原因となった喪失恐怖が顕在化し始めます。
闇野は両親を失ったときの恐怖をまだ乗り越えられていません。
そのうえで、自分が「一緒にいたい」と思っているルミナちゃんが消滅してしまうかもしれない状況にあります。
闇野は今、両親と同じようにルミナちゃんを失ってしまうことを恐れているのです。
故に、その恐怖から何とか逃れようとする闇野が苦しそうに見えるのだと考えられます。
甲子園大会開幕
甲子園に来た闇野は阿麻と少し口論になります。
「やらくてはいけないこと」が示す候補はいくつかありますが、今の闇野はルミナちゃんのために魂のエネルギーを奪い続ける必要があるので、「ルミナちゃんの存在維持」として問題ないと思われます。
阿麻が闇野を「邪悪なだけではない」と評しますが、闇野が他者の魂を奪う行動は、
これまでは自分の「目的」のためという自己中心的で身勝手なもので「邪悪」と言われても仕方のないような行為でした。
しかし今は「ルミナちゃんのため」という他人を思いやる要素も含まれています。
その部分をもって「邪悪なだけではない」と評価されているのではないでしょうか。
甲子園2回戦後
闇野がルミナちゃんを維持するために他者の魂を奪っていたことが彼女にバレます。
闇野はルミナちゃんに「自分とずっと一緒にいて欲しい」と思っていますが、ルミナちゃんは闇野に「他人を犠牲にする手段をとって欲しくない」し、「自分を乗り越えて進んで欲しい」と思っています。
闇野がルミナちゃんを維持したいのは彼自身の願いでもあります。
つまり、ルミナちゃんのためという部分があったとしても、闇野が自分の目的のために他人を犠牲にする手段を選び続けることになってしまい、それでは強化恵比留前の身勝手な闇野と何も変わらないのです。
闇野の想いから生まれたルミナちゃんは、本人以上に闇野の気持ちを理解し、教えたくない弱さを知り、欲しい肯定を与えてくれます。
しかし、ルミナちゃん以外にそのような都合の良い相手はいません。
それに、人間とは出会いと別れを繰り返すものであり、寿命がある以上永久に相手と一緒にいることは出来ません。
それこそ、タイムリープでもしなくては。
「自分の理想をすべて満たしてくれる相手とずっと一緒にいたい」という願いは、これから人間として未来を生きる闇野のことを想えば、叶えてやることは出来ないのです。
故に、ルミナちゃんは闇野に対し、自分に頼り切りにならず乗り越えて先へ進むように促し、人と別れる悲しみの受け止め方を教えてあげねばなりません。
闇野の想いから生まれたルミナちゃんは、闇野が喪失恐怖を抱えていることを知っています。
闇野にとって、一緒にいて欲しい人がいなくなることがどれほど苦しいことなのかを
ルミナちゃんが分かっているからこそ闇野は右図の言葉をぶつけます。
「お前がいなくなったらオレがどれほど苦しいのか、もう知っているくせに。
オレのことを本当に大事に思っているのなら、
オレが苦しまないようにずっと一緒にいてくれるんじゃないのか」という心理だと思います。
喪失恐怖から逃げ続けて来た闇野は、それに対する年相応の向き合い方を学べていません。
故に、ルミナちゃんの意図を聞いて理性的に理解するより先に、「どうして」「いやだ」という自分の感情が先走ってしまっている、幼い印象を受けます。
それでも、ルミナちゃんは闇野と一緒にいることは出来ません。
もしこのまま闇野と一緒にいても、闇野は自分の理想を叶えてくれるルミナちゃんから離れられなくなってしまいますし、ルミナちゃんと自分のためにエネルギーを集めて他人を犠牲にし続けます。
闇野がちゃんと自分で自分を認めて肯定し、他人をちゃんと思いやれるようになり、出会いと別れを繰り返す「人間らしい生き方」が出来るようになるためには、ルミナちゃんとの別れを乗り越えなくてはならないのです。
また、闇野の喪失恐怖を知っているルミナちゃんは、自分がいなくなることで闇野を傷付けてしまうと分かっています。
だからこそ、闇野の気持ちを思いやり「ごめんね」と謝っているのだと思われます。
ルミナちゃんに諭されることで、闇野が喪失の恐怖を乗り越え始めます。
彼女の言う通り、闇野は弱くて強い存在です。
これまでの闇野は、弱さを切り離すことで強さを得ていましたが、その弱さを認めることを強さだと教わります。
別れを悲しむ気持ちを認め、受け止め、そのうえで先に進んでいくのが強さであり、ルミナちゃんは闇野にそういう「人間」になって欲しいのです。
ルミナちゃんの想いを理解した闇野は、ソウルジェイルを壊します。
魂のエネルギーが無くなることでルミナちゃんは近いうちに消滅し、闇野もエビループが出来なくなります。
彼女との別れを受け入れて、前に進むことを決意したが故の行動だと考えられます。
甲子園決勝後
甲子園決勝後、エネルギーが無くなったルミナちゃんは消えてしまいます。
彼女との別れを受け入れている闇野は、取り乱すことなく会話をします。
闇野は両親の荷物から子供時代の写真を見つけた話をします。
これまでの闇野にとって、両親との別れは向き合いたくない辛い記憶でした。
ルミナちゃんとのやりとりを経た闇野はこうして過去に向き合い、笑顔まで見せています。
闇野がちゃんと喪失の恐怖を乗り越えたのだと分かります。
両親と同じように、闇野はルミナちゃんを失います。
これまでの闇野ならば、苦痛を認められず別の結果を求めてループしていたかもしれません。
しかし、喪失への向き合い方を学んだ闇野はその恐怖から逃げ出さず、別れを悲しむ気持ちを否定せずにありのままに認め、そのうえで自分がどれほど想われていたかを事実としてちゃんと受け入れます。
闇野の想いから生まれたルミナちゃんは、彼の喪失恐怖と自己肯定の問題を癒し、
その結果として闇野は弱さを認める強さを手に入れました。
これから先の闇野は、自分の感情も得た出来事もそのままちゃんと抱きしめて、ルミナちゃんの想いの通り、弱くて強い「人間」として前に進むのです。
自分の願いを叶えてもらった闇野が、今度は他人の願いを叶えてあげた、とも考えられます。
ルミナちゃんが消えて魂のエネルギーが戻ってきた闇野は、元の大きさに戻ります。
ルミナちゃんがいなくなったことや、これまでの行動の真実を皆へ伝えようとしますが、御厨ちゃんの機転でごまかすことになります。
もしごまかさずに真実を話していれば、これまでの偵察で魂を奪ってきたことを皆に伝えることになります。
ソウルジェイルで得た力は他人を傷つけて手に入れたものだと教えることになり、皆を騙していた闇野が謗りを受ける結果になるでしょう。
闇野に裏切られ、魂を奪われ利用されていた御厨ちゃんには、彼を貶めて復讐するだけの理由があります。
闇野がこれまでのループで知っている、いつも通りの御厨ちゃんであるならば、闇野の想像した通り彼をかばわず復讐していた可能性が高いと思われます。
闇野の行動は決して許されるものではありません。
ですが、「許されるなら」という表現から分かるように、闇野も自分の非を認識しています。
それ故に、皆の前でちゃんと真実を話そうとしたのでしょう。
御厨ちゃんは、魂のエネルギーを返された際にルミナちゃんの想いを知りました。
闇野の未来を願うルミナちゃんの気持ちに免じて、闇野を見逃してくれたのです。
また、6月4週にパワプロ君から「弱くても大丈夫」と言葉にしてもらったように、御厨ちゃんから「ルミナちゃんは闇野のことを想っていた」と言われることで、闇野はルミナちゃんが自分を想っていてくれたこと、彼女がいなくなった後の世界にもその想いが続いていくことを実感出来ます。
そして、彼女の想いに背かないように、今後は正しく生きていくことでしょう。
エピローグ
エビキャは消えてしまいますが、闇野は自分の感情も事実もありのまま受け入れることが出来るようになったため、もう時を遡ってやり直すことも、人智を超えた力も必要ありません。
自分の強さも弱さも肯定できるようになった闇野は、人の好意を素直に受け取れるようになり、
出会いと別れをしっかりと受け止めて「人間らしい生き方」で未来へ進んでいけるのです。
トゥルールート(ルミナちゃん無し)
デッキにルミナちゃんが入っていない状態だと、7月1週時点からルミナちゃんの体調に異変が起こります。
魂のエネルギーが足りなくなったルミナちゃんは、地方大会決勝後に消滅してしまいます。
ルミナちゃんが消失した後の闇野は、魂が戻ってきたため元の身体に戻ります。
この後の阿麻とのやりとりやエピローグは大きく変化しませんが、以降の闇野は試合後の偵察行為をしなくなります。
「ルミナのためにも」という彼女に気を配った言葉からも、ルミナちゃんがデッキに入っている場合は甲子園2回戦後に行われる二人の会話に類するものが、デッキに入っていない場合は地方大会決勝より前に行われていると推測することができます。
身体が元に戻った後の闇野は、デッキ入りトゥルールートにおける甲子園決勝後のような、ありのままの自分を受け入れ喪失恐怖を乗り越えた状態に近くなっています。
ただし、デッキに入っている場合と比べると、闇野が事実を話そうとしてくれません。
まだ甲子園が始まっておらずチームの指揮を落としたくない意図もあるのかもしれませんが、ルミナちゃんがデッキに入っているルートの方が、闇野の生長度が高いと思われます。
甲子園決勝後
甲子園決勝後の闇野から上のようなセリフを聞くことが出来ます。
闇野が手段を選ばないならば、ルミナちゃんと一緒に甲子園に来られるまでエビループしてやり直すことだって出来ます。
しかし、喪失恐怖を乗り越えた闇野は「ルミナちゃんがいなくなった」という状況を受け入れています。
そのうえで、彼女がいない寂しさを認め、自分の感情を話すことができているのです。
エピローグ
この後のエピローグはデッキ入りの場合と同じです。
これからの闇野は、事実や自分の気持ちを受け入れ、未来へ進むことができます。
バッドルート
パワプロ君に、弱い心を決別するよう叱咤されます。
強化恵比留下の闇野は他者の影響を受けるため、彼に「強くあって欲しい」と言われることで、周りからも強い自分でなくてはいけないと思われているという誤った情報を得てしまいます。
これまでの闇野は、弱い自分を拒否し、強い自分しか認められませんでした。
「強い自分なら存在して良いはず」という考え方にも不安があり、それ故に抱えた自己肯定の問題によりルミナちゃんが発生してしまったと私は考えています。
パワプロ君の言葉によってその不安が解消されてしまい、「弱い自分を否定して、強い自分であり続ければ自分は存在しても大丈夫」という間違った確信を得てしまったのだと思います。
だから闇野は、不安が取り除かれたことで、吹っ切れたような様子になったのでしょう。
闇野はルミナちゃんを自分の弱さだと考え、彼女を消すことで「存在しても良い強い自分」を確立しようとします。
「みんないなくなってしまう」のが苦しいのに、その苦痛を認めず自分から切り離して、強さを求めることで間違った安心を得ようとする。
闇野の抱えている問題が再露呈したような展開となります。
今の闇野は、弱さの無い強い自分だけが、自他ともに存在を許される対象だと思っています。
ルミナちゃんは自分の弱さであり、彼女がいる限り、自分は誰からも存在を許されないという苦痛が発生してしまいます。
闇野が安心するためには彼女に消えて貰わねばならないのです。
ルミナちゃんは、上の言葉を残して消えてしまいます。
文字数から推測するに「いっしょにいられなくてごめんね」でしょう。
闇野が抱える諸問題の原因は両親を失ったことによる喪失恐怖ですが、それは「自分と一緒にいて欲しい」という願いが壊れたショックだと言い換えられます。
「一緒にいて欲しいのに、どうしていなくなってしまうのか」という闇野が心の底に抱えている悲しみを癒してあげられず、
その悲しみを得た時と同じように自分も闇野の前からいなくなってしまうルミナちゃんが残された時間でその苦痛を少しでも和らげてあげるためには、
傷付ける側の立場から「いっしょにいられなくてごめんね」と謝ることしかもう出来ないのだと思われます。
ルミナちゃんから魂が戻ってくるので、ろくに問題を解決していませんが闇野はこの後元の身体に戻ります。
ルミナちゃんを消すことで、闇野は自分が弱さを克服したと主張します。
しかし、本当に闇野の弱さは消滅したのでしょうか。
6月4週のセリフにあるように、闇野は自分に弱い心があったことすらろくに気づいていませんでした。
弱い心が消えて無くなったのではなく、強化恵比留前と同じく強い闇野が拒絶する領域へ押しやられただけであって何一つ状況は改善されていない可能性すらあります。
ですが、闇野には「弱さのない強い自分」という自己肯定が出来上がってしまいました。
故にルミナちゃん(=自分の弱さ)に触れられると怒り、強い状態こそが本当の自分だと言うようになってしまいます。
強い自分しか認められなくなった闇野は、もう【強さへの意志】から逃げられません。
強さを失った途端、自分の存在が誰からも許されなくなってしまうからです。
自分の強さのために他人の魂を奪い、人智を超えたエビキャの力でやり直し続ける闇野は、もうトゥルールートでルミナちゃんが望んでくれた「人間らしい生き方」は出来なくなります。
どのくらい強ければ良いのかの指標も無いのですから、止まることなど出来ません。
闇野が存在し続けるためには、ずっと強くなり続けなくてはならないのです。
結局、そのままさまよい続けた先が強化円卓のような世界線になるのではないでしょうか。
最後は見た目も誰なのかさえ分からないほどアイデンティティを失い、作ったうわべさえ消費され切ってやっと残った本心に気づく有様になってしまいます。
それでも、強化円卓でも最後には自分を犠牲にしてもパワプロ君を助けてくれるように、闇野は根っからの悪人ではありません。
ちゃんと自分の弱さに向き合えていれば、別の未来もあったのです。
終わりに
以上のように、強化恵比留のストーリーを見てきました。
結果として、闇野には2種類の結末が用意されていたのだと思います。
◆自分の弱さに向き合い、喪失恐怖を克服した闇野はちゃんと未来へ歩んでいける
◆自分の弱さを否定した闇野は、力への意志により今後もループし続ける
闇野が人の意見を受け入れるようになった状況だからこそ、プレイヤーの選択でどちらに転ぶこともあるのが切ないですね。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
これからも何かしら情報が出てくることはあると思っていますので、その際はまた記事にしてみたいものです。
強化恵比留シナリオ考察
※2022年3月8日にTwitterで公開した内容の再録です。当時の情報で作成されております
私が強化恵比留のシナリオについて解釈した場合、
闇野が自己肯定を取り戻し、喪失の恐怖を乗り越えるストーリー
となります。
強化恵比留のストーリーについておおまかに考えると
「闇野がルミナちゃんのおかげで自分の弱さを受け入れてハッピーエンド!」
という印象になるかと思われますが、以下のようにハッキリと説明されていない点があります。
●闇野の弱さと強さとは何か
●闇野が強さを求める理由
●闇野が少年の姿になった訳
●闇野がルミナちゃんを拒めない原因
●闇野とルミナちゃんが解決すべき問題
●闇野がルミナちゃんのために行動した背景
●最後に突然出てきた子供時代の写真の価値 etc…
これらの疑問を解説するために、私は以下の解釈を構築しました。
◆闇野のメンタルは二分され不安定である
◆闇野の魂はルミナちゃんの支配下にある
◆ルミナちゃんは闇野の自己肯定と喪失恐怖を癒しに来た
円卓高校のシナリオや闇野の個別イベント等、既出情報との関係を示しながら、各描写を掘り下げて解説していきます。
◆解説にあたっての用語
●エビキャ……クソダサ厄介ヘルメットことエビルキャップのこと。
●エビループ……エビキャの力で闇野が行うタイムリープのこと。
●闇野……「闇野栄剛」個人を示す言葉として使用する。
●強化円卓……2018年秋および翌年頭に配信されていた円卓高校の限定シナリオ。
●トゥルールート/バッドルート……強化恵比留6月4週の選択肢で「心に正直になれ」を選んだ後の展開を
トゥルールート、「弱い心と決別しろ!」を選んだ後の展開をバッドルート、と仮称します。
闇野のメンタルは二分され不安定
強化恵比留のシナリオは闇野の「弱い心」に焦点が当てられていました。
闇野の精神は強い部分と弱い部分に分かれており、双方が問題を抱え不安定な状態だと言えるのです。
闇野の精神がどのように分離し、強化恵比留に至るまでに如何なる問題が発生しているのか、彼の過去から順に推察し説明していきます。
◆安定した子供時代
◆両親の喪失によるショック
◆弱い心の”分離”
◆強い自己の再構築
◆不安定な自己肯定の問題
安定した幼少期
闇野が本当に子どもだった頃は、そこそこ幸福に過ごしていたと思われます。
野球が好きで、強くなるための努力ができる良い子だったことでしょう。
▲「闇と光と追憶と」お知らせ画像
これは強化恵比留実装前の10月17日に、アプリ内の『「闇と光と追憶と」近日登場』というお知らせで掲載されていた画像です。
闇野が子供服を着用しており、右の人物がスパイクを履いていません。
これは強化恵比留の時間軸ではなく、おそらく闇野の過去の実体験に由来するシーンでしょう。
この点からルミナちゃんの容姿は闇野の空想ではなく、実在の人物に似ていると考えられます。
両親の喪失によるショック
何らかの要因によって両親がいなくなります。
作中において子供時代に両親から撮ってもらった写真が家にそのまま残っており、かつ闇野はエビループの影響によるキャラの移動(世界線上の配置の変動)を認識しています。
もしエビループのせいで人物が再配置され両親がいなくなっているのなら後述の写真は世界の状況が変わった影響で消失してしまうかもしれませんし、闇野は再配置の影響によってはいずれまた両親に会えると知っているはずです。
よって、両親がいなくなったのはエビループを始める前と考えるのが妥当だと思われます。
この出来事が闇野の中で深い傷になっており、大事な人でも自分の前からいなくなってしまうという喪失恐怖を抱えることになります。
弱い心の“分離”
寂しさや悲しさなどのつらい感情を一人で処理できなかった闇野は、それらを「弱い自分」として自分から分離し拒絶します。(心の防衛機制でいう「分離」対処)
自分の感情をそのまま受け入れず、許せないものだと否定することで「この苦痛は自分のものではない」と遠ざけてダメージから心を守ろうとします。
「両親のようにいなくなってしまうかも」という恐怖を抱えた闇野は他人を頼ることができず、一人で問題に対処しようとしたため、このような無理のある手段を選んでいると思われます。
強い自己の再構築
自分で自分の感情を否定することによりボロカスになっている自己肯定を補い、かつ「弱い自分」をより乖離するために、闇野は“許せる”自己として「強い自分」を作ります。
「強い自分」だと思える間は「弱い自分」ではないと自覚されるため、その間だけ自己肯定することができ、一時的に安心できるのです。
弱い自分を分離する際にありのまま(無条件)の自分の感情を否定しているため、強い自分を作るときも「〇〇なら弱くない」と条件を付けて自分を区別する必要があります。
その条件こそが、言ってしまえば【強さへの意志】なのだと考えられます。
強固な精神力を持ち、強くなろうと常に高みを目指し、そのための手段を取り続ける。
闇野はその状態でもって自分を「強い」と思うことが出来るのです。
闇野がイベント中によく「精神力が強い」や「心が強い」などと言われるのは、ここで構築された「強い自分」だけを人に見せているからだと思われます。
不安定な自己肯定の問題
受け入れられない不都合なものを「弱い自分」として拒否し続ける限り、闇野は【強さへの意志】を持つ「強い自分」しか許せません。
強い自分であり続けるために不都合なことは弱い自分として捨て、更に弱さを拒絶します。
本当に心が強いなら、弱い自分を否定せずに受け入れて成長すべきですし、強い自分として過ごして何の問題も無いならそもそもルミナちゃんは発生しません。
これまで描写されてきた強い闇野の姿は、問題を抱えた状態なのだと考えられるのです。
更に面倒なことに闇野本人がその問題を自覚していません。
弱い自分を認めて受け止めてやらないから、原因に気づかないまま精神を不安定にし、安心して存在し続けるためにその不安すら否定して強さを求め続けています。
闇野の言う暗闇は、不都合から目を逸らすために彼自身が作り出しているのです。
上記の内容をまとめると、
◆闇野は両親喪失のショックから「弱い自分」を切り離す
◆弱い闇野は認めがたい感情を押し付けられ存在を否定される
◆強い闇野は存在するために【強さへの意志】を満たし続けなければならない
という状況になっています。
闇野のメンタルは喪失による恐怖のせいで「弱い」と「強い」に二分されており、
その両方が100%の自己肯定ができず不安定な状態にあるのです。
闇野の魂はルミナちゃんの支配下にある
強化恵比留のストーリー中、闇野は少年の姿になり、ルミナちゃんと仲良く過ごしています。
しかし、これまでに描写されてきた通常時の闇野は自分の価値観を重視する姿勢が多く、彼が一転してルミナちゃんの意見をほいほい受け入れている点に私としては違和感が残ります。
この状況を「闇野の魂がルミナちゃんの支配下にあるため」という解釈に基づいて考えると、闇野が彼女の意見を受け入れてしまう理由や、少年の姿になってしまった原因の説明が可能です。
強化恵比留以前の描写を踏まえながら解説していきます。
◆闇野は自分と他者を区別する
◆魂の所有による他者支配
◆ルミナちゃんによる魂のエネルギーの収得
◆魂の分離による姿の変質
◆ルミナちゃんは闇野の魂を支配している
闇野は自分と他者を区別する
闇野は基本的に自分の力しか信じませんし、他者の価値観との距離感を保っています。
もちろん他人の意見を認めることもありますが、全てを受け入れるわけではありません。
そんな闇野が突然に現れたルミナちゃんの言うことを簡単に信じてしまう状況は、無意識に彼女のことを求めているためというだけでは、十分な説明ではないと思われます。
闇野がルミナちゃんから与えられる情報を受け入れてしまうのには別の原因があるのです。
魂の所有による他者支配
あまり知られていませんが、闇野は人の魂を奪って相手を操ることができます。
円卓高校で望戸君を操って心身に影響を与えている能力です。
恵比留高校では、闇野の所有しているソウルジェイルに御厨ちゃんの魂が囚われています。
高校中のイベントやパワクエのテキスト等から分かるように、御厨ちゃんは自身の魂を所有している闇野の判断や指示に対し従順な態度をとっています。
以上から「魂を奪うことで相手をコントロールできる」力が存在すると推察できるのです。
ルミナちゃんによる魂のエネルギーの収得
強化恵比留の5月2週や甲子園中でのイベントなどで描写されるように、ルミナちゃんは魂のエネルギーによって作られています。
また、彼女はエビキャに蓄えていた魂のエネルギーが失われたタイミングで登場するため、エビキャのエネルギーはルミナちゃんの中に移動していると推測できます。
言い換えれば、登場時点でルミナちゃんは魂のエネルギーを所有した状態なのです。
魂の分離による姿の変質
魂と外見の関係については、聖良ちゃんの描写を踏まえて考えていきます。
恵比留高校により偵察された聖良ちゃんは、偵察時に映る白黒合体したマネージャー姿から、ダンジョン高校シナリオと同じように白と黒に分かれてしまいます。
一度精神が分離した人間は、再度分離する時に過去と同じ分かれ方をするのです。
ここで、先章で触れた闇野のメンタルが置かれている状況を振り返ると、闇野は両親がいなくなった苦痛から自分の心を「弱い」と「強い」に分けています。
聖良ちゃんと同様に、闇野にも精神が分かれた跡があるのです。
もし偵察された聖良ちゃんと同じように闇野の魂が奪われてしまう事態が生じた場合、闇野は最初に弱い自分を分離したときの姿――少年の姿になってしまうと思われるのです。
邪気に染まっていたり化け物の姿になれたり、闇野には普通の人間の範疇ではない面があるので、魂の影響で肉体そのものが変質する特殊性を仮定することも出来ると考えられます。
ルミナちゃんは闇野の魂を支配している
ここまで述べて来た内容をまとめると、下記となります。
これらを元に、強化恵比留中における闇野の状況を推測すると、
闇野はルミナちゃんに魂を奪われ彼女の影響を受けるようになってしまっており、
魂が奪われたが故に過去に弱い自分を分離したときの姿になってしまった、と考えられます。
ルミナちゃん登場時、エビキャに蓄えていた魂のエネルギーが彼女に奪われてしまいますが、おそらくエビキャ所有者である闇野の魂がその中に含まれているのではないでしょうか。
魂を奪うことで相手を支配下における話をしましたが、エビキャ所有者である闇野とパワプロ君は、エビキャの都合が良いように思考が変質することがあります。
この点から「闇野はエビキャに魂を奪われている」と推測することが可能です。
よって、エビキャからルミナちゃんへ闇野の魂の支配権が移動していると考えられます。
本来は強固な意志を持つ闇野が、ルミナちゃんから言われたことに流されやすく抗えないのは、魂をルミナちゃんに所有されているせいで彼女の影響を受けてしまっているからなのです。
故に、ルミナちゃんからの支配が薄らぐタイミングで違和感に気づくことができます。
また、魂が奪われることで聖良ちゃんと同様の現象が発生し、闇野の身体は過去に分離した「弱い自分」の姿になってしまいます。
逆に言えば、闇野が小さくなっている原因はルミナちゃんに魂を奪われているせいなので、彼の精神が抱える問題を解決しなくても彼女から魂を取り戻せば闇野は元の姿に戻れるのです。
闇野が少年化しルミナちゃんの言うことに影響されるのは、彼女の存在理由や闇野が抱える問題のせいではなく、闇野が彼女に「魂を奪われた」からです。
他校で通常の闇野とルミナちゃんをデッキに入れても闇野が彼女に反応を示さないのも、魂を奪われなければ闇野は通常通りの精神・肉体でいられるためだと考えると自然です。
ルミナちゃんは闇野の自己肯定と喪失恐怖を癒しに来た
シナリオ中でルミナちゃんは「えーくんの想いから生まれた」存在とされています。
彼女は何のために生まれ、何を成しに来たのでしょうか。
私が解釈するに、ルミナちゃんは精神二分により闇野が抱えている自己肯定の不安定さ、その原因となった喪失恐怖を癒しに来たのではないでしょうか。
故に、問題を解決した闇野は強さと弱さを共に持った自分を認め、過去を放棄せずに抱きしめて歩んでいけるようになったと思うのです。
以下の流れで説明していきます。
◆闇野の抱えている問題とその原因
◆弱い心の受容
◆喪失恐怖の再発
◆喪失恐怖の克服と子供時代の写真
◆強くて弱い闇野の未来
闇野の抱えている問題とその原因
最初の章で触れたとおり、喪失のダメージで闇野の心は「弱い」と「強い」に二分されており、弱い自分は存在を否定され、強い自分は【強さへの意志】に縛られています。
私は、闇野の願いの根幹は弱い/強い自分ともに共通であり、
かつて失ってしまった、不安の無い自己存在肯定の再獲得だと考えています。
もし、ルミナちゃんが弱い闇野の「弱い自分を認めてほしい」という願いを叶えるのであれば、強い闇野の「弱い自分を拒否し強くなりたい」という願いを破棄することになります。
しかし、ルミナちゃんは闇野の強い面も弱い面も否定しません。
喪失を恐れ、自分をありのまま愛することのできない弱い/強い闇野が現在求める想いは、「自分の存在を100%肯定できない不安定な状態から抜け出したい」という同じものだからです。
彼女はその想いこそを叶えに来たのです。
弱い心の受容
ルミナちゃんやパワプロ君たちの影響を受けた闇野は、否定し続けていた自分の弱い部分が存在しても大丈夫なのではないかと感じ始めます。
不都合なものを自分から分離して拒絶するのではなく、ちゃんと受け入れることを理解します。
弱い自分を否定しなくて良いのなら、条件をつけて強い自分を肯定する必要がなくなります。
闇野は自分の存在や感情をありのままに認められるようになり、強い/弱い闇野はやがて元の1つに戻っていきます。
本来の闇野は「強くて弱い」のが自然なのです。
重要なのは、闇野が弱い自分を受け入れるためにルミナちゃんが必要不可欠な点です。
そもそも闇野は他人からの評価を素直に受け取らないので、いくら周囲から「弱くても大丈夫」と言われても簡単には意見を変えられません。
闇野が他者の意見を受け入れ、自分の考えを変えられるようになったのは、強化恵比留の「闇野がルミナちゃんの影響を受けてしまう」特殊な状況ゆえと考えられます。
喪失恐怖の再発
闇野は自己存在の肯定により心の問題を解決した……はずが、ここで別の問題が起こります。
闇野の精神が問題を抱えた原因は両親との離別による喪失への恐怖です。
精神の状態を多少改善しても、根本となった恐怖への対処の仕方を闇野はまだ知りません。
今度はルミナちゃんの喪失を恐れ始めるのです。
喪失恐怖の克服と子供時代の写真
闇野はルミナちゃんの喪失を回避しようとしますが、これは彼女のためだけではなく、自分のための行動でもあります。
彼女が自分の求めるものを与えてくれた大切な存在であるからこそ、両親と同じように失うことが闇野にとっての恐怖になっているのです。
だからこのセリフが出てくる訳です。
いつもの闇野が見せる狡猾さも屁理屈も無い、幼さの感じられる言葉だと思います。
「自分のことが大切ならば、いなくならないでくれるはず」という愛情の確かめであり、確かめた愛情でもって喪失の回避をしようとしているのかもしれません。
闇野はずっと喪失の恐怖から逃げてきました。
故に恐怖への対応の仕方を子供の頃から学べていないのです。
(素直に感情を伝えられているのは、闇野の成長の証だと思われます)
しかし、闇野が喪失への向き合い方をちゃんと身につけなくては、また苦痛から逃げ出すか、ルミナちゃんではない別の誰かに依存することになってしまいます。
これを乗り越えさせることで、ルミナちゃんは闇野を救うのです。
甲子園決勝後に、闇野は両親の荷物から子供時代の写真を見つけた話をします。
これは闇野が両親との別離の記憶に向き合い、喪失を経ても自分がちゃんと愛されていた事実は変わらず残っていると受け止めたこと、つまりは喪失の恐怖を乗り越えたことを表しているのだと考えられます。
強くて弱い闇野の未来
両親と同じように闇野はルミナちゃんを失います。
しかし、喪失への向き合い方を学んだ闇野はもう苦痛から逃げることは無く、彼女が自分をどれほど想っていてくれたかを事実として受け止めることが出来ます。
こうして弱い自分も強い自分も全てそのまま認められるようになった闇野は
出会いと別れを受け入れて未来へ進んでいけるのです。
まとめ
以上のように、強化恵比留シナリオの疑問点を説明するために考えた、私なりの解釈について解説いたしました。
解釈のポイントをまとめると、次の通りです。
◆闇野のメンタルは喪失恐怖により弱い/強いに二分され不安定である
◆闇野の魂はルミナちゃんの支配下にあり、心身に影響が出ている
◆ルミナちゃんが闇野の自己肯定と喪失恐怖を癒してくれたので、
闇野はありのままの自分を受け入れて未来に進んでいける
これらの要素を踏まえて、強化恵比留は
闇野が自己肯定を取り戻し、喪失の恐怖を乗り越えるストーリー
であったと考えられるのです。
閲覧ありがとうございました。
追加情報が出て加筆修正する際は別の記事で解説する予定です。
おまけ。
この解釈を元に強化恵比留のストーリーを再確認する記事はこちら。